虹の孤島
- SAPO(部門責任者)
- 2024年11月7日
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虹の孤島(第一節)
此処は、アリマシノ国。この国は、とても小さいが、治安が良く過ごしやすい。私はこの国に来て五年目だ。きっかけは会社の転勤だったが、私にはこの場所が合っており、とても満足している。
さて、今回私が話したいのは、このアリマシノ国の南西に位置する本島の南東にある木野実島、通称「虹の孤島」と呼ばれる島の由来である。
これは今から六百年前、大国が植民地を拡大していた時代の出来事である。アリマシノ国に、一隻の軍艦が到着した。
これが、この話の始まりだ。その軍艦は大国「カナディアン・カリマンダー」の船であり、カナディアンは君たちが住んでいる世界での現在のアメリカほどの国力を持つ国だった。その軍艦には五百人の乗組員と、数人の陸海軍の将軍が乗っている。
陸軍大将 堀田典影「おお、やっと新しい島を見つけたぞ。」
海軍少将 華梓和邦「よかった。本当に良かった。」
海兵A「上陸は、いつするのでございますか?」
華梓和邦「私は今日の午後二時に上陸を考えておりますが、堀田大将はどうお考えでしょうか?」
堀田典影「ワシもそう考えていたところじゃ。準備をやっておけ。」
そして、一度会話が途切れ、上陸の準備が進められた。
・第二節(現在時刻午後二時)
堀田と華梓を先頭に、兵士たちは慎重に上陸を開始した。木野実島の海岸は白く細かな砂に覆われ、遠くには濃い緑の森が広がっている。
堀田典影「これが木野実島か……。少々美しすぎるな、戦場としては。」
堀田は、島の中心部に向かうため部隊を進めたが、部隊を大所帯のまま進めるのは危険と判断し、上陸地点から二班に分けて外周の探索を命じることにした。堀田が右班を、華梓が左班を率いることとなり、それぞれが島の周囲を探索することになった。
・第三節《(堀内典影班)の捜索》
右に進んだ堀田典影率いる班が探索を進めると、古びた民家が見つかった。壁は崩れ、屋根も朽ち果て、長年誰も住んでいないことが明らかだった。
堀田は中へと足を踏み入れると、ちゃぶ台の上で骸骨がうなだれるようにもたれかかっていた。骸骨の手には鷲のマークが入った万年筆が握られており、その万年筆を使って紙切れに手紙が書かれていたようだった。
堀田が紙を手に取り目を通すと、そこには震える文字で次のように書かれていた。
(疫病が村を襲い、皆が次々と命を落としていった。今や私一人となり、死期を悟った。もしこの手紙を読む者がいるならば、私は大国の大将であった長野久原の最後の財宝をこの島に隠したことを伝えよう。その財宝が次なる探索者の手に渡ることを望んでいる。鷲の印がその道標となるであろう。)
堀田はこの文字に財宝の手がかりを感じ、万年筆を慎重に持ち帰ることにした。
・第四節《(華梓和邦班)の捜索》
一方、華梓和邦率いる左班は森の中を進んでいたが、目立ったものが見つからず、ひたすら木々が生い茂る道を進んでいた。しかし途中で一つの石碑が目に留まった。石碑には風化した文字が刻まれており、「長野久原」と辛うじて読み取れる名前と、「我が魂はこの地に眠る」との文字があった。
華梓は部下に周囲の見張りを命じつつ、堀田との合流地点での報告を心に決め、再び隊を前進させた。
・第四節《現在時刻 午後五時》
右班と左班が合流地点である民家跡に戻ると、堀田が見つけた鷲の印の万年筆と手紙が二班の中で注目を集めた。
堀田典影
「この手紙と万年筆が、財宝に辿り着くための手がかりであることは間違いないだろう。」
堀田は万年筆を掲げて言う。
堀田典影
「疫病によって全滅した村の唯一の生き残りが、この場所に長野久原の財宝を隠したと書かれている。この民家を拠点として島の内陸に進めば、さらなる手がかりが見つかるはずだ。」
華梓も頷き、兵士たちに次の指示を出した。
堀田典影
「それでは、この民家を起点にして島の奥へと進む。」
兵士たちは装備を整え、再び内陸への進軍を開始した。島に眠るという財宝の手がかりを得た一方で、この「虹の孤島」に何か不気味なものが潜んでいるのではないかという不安を抱きながら、彼らは島の中心部へと歩みを進めるのだった。
・第五節《続・虹の孤島の奥へ》
夕闇が迫り始める中、彼らの足音だけが静かに響き、道はやがて深い森の中へと続いていった。果たして、長野久原の財宝とこの島が虹に包まれる理由は何か。その答えは、島の奥深くに眠っているに違いない……。
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